新地といえば、きらびやかなホステスさんというイメージはつきもので、高級クラブとなると、今でも座っただけで3万〜5万円とか、いやもっと高いとこもあるとか。
蘆月という料亭では紙鍋もおいしいとか、とかく高そうな世界ではあるが、バブル以降、お客さんの層もニーズも変化している。
もちろん昔っから、新地にもたこ焼屋さんはあったけど、以前ならホステスさんのおやつ的な存在だったたこ焼が、このごろはお客さんのおみやげとしても需要が高まっている。
だから店構えも持ち帰り中心というものの、屋台の作り方、雰囲気がとても洗練されつつある。
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そんな状況のなかで、これぞ新地のたこやき屋さんや! と思える店を発見した。
その名も「大ダコたこ焼き 北新地 たこ長」。明るい店先、看板の書体もしゃれている。
うれしいのは、迎えてくださったお兄さん(実はこの人がオーナーの巽善三さん28歳)が素敵なこと。さらにうれしいのは、その奥に新地のママさんでもぴったりな、あでやかな、しかもきりっとした美しさのお母さま、巽由美子さんがひかえていること。
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平成10年10月 6日改装オープン。それ以前は、16年ほど由美子さんが、経営していた。
若い客層、地方からのお客さんにも喜んでもらおうと、冷めても油っこくならないよう、できるだけ油を控えた焼き方をしている。もちろんコナの配合も、長年焼きつづけてきた由美子さんの知恵が、息子へと伝授されている。
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おみやげには、扇舟のオーダーが多い。私も各地のたこやきを見てきたが、扇型に並んだたこやきは初めてだ。随所に新地の工夫、そしてちょっとした遊び心、色っぽさがでているのがうれしかった。つい言い忘れていたが、もちろん味もばっちり。大きなタコは、大きさも食感も値打ちもん。飲む前のあつあつハフハフなひととき、どうぞお楽しみくださいませ。
(2001年 3月 2日取材)
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