☆★☆ たこやきめぐり 第35回 ☆★☆

南淡路のタコが命の自信作
− 赤鬼 その2 −

熊谷真菜
 「たこ焼はタコが命。南淡路の秘産、活つ ぼダコを使っています」。赤鬼クンもさるこ とながら、どうやらこれが、この店の主張ら しい。オーナーの廣田哲彦さんにそこのとこ ろを聞いてみよう。
 赤鬼はもともと谷九(谷町九丁目)にあった。その店を 廣田さんは受け継ぐが、味については一からの オリジナル。淡路の超高級ダコを分けてくれ る知人のおかげで、自信のたこ焼を完成する ことができた。
ただいま焼きあげ中
たこ焼き6個とつゆ
 鉄板もふつうの鉄鋳物だし、これといって 特別な感じはしないのだが、たべてみるとな るほど、タコがちがう。とろけるようなやわ らかさとタコの味。これにほどよく小麦がま とわりついて、カリッとした表面の食感との 妙を奏でている。
たまたま通りがかった、くいだおれの山田 六郎さんも賞味して、納得したほど。どうや ら一流料亭がおさえてしまうただならぬタコ の存在が効いている。お客さんも料理人が多 いらしい。これが6個 300円というのは、あ りがたい限りだ。

 妻の孝子さんもかなりのこだわり派。
赤鬼の味には、彼女の存在もなくてはならないように見受けられた。
去年の11月、この地に開店し、2月14日 に店の前をC・W・ニコルさんが行き過ぎた とき、廣田さんはすかさず声をかけた。以前 からファンだったニコルさんの色紙には、「 黒姫の赤鬼から大阪の赤鬼さんへ」

焼きあがり6個
たこ焼き6個とつゆ

 まるでビストロのシェフか、パティシェの 菓子職人のような風貌の物静かな廣田さんだ が、こんなたこ焼が大阪に健在だったとは。
たこやき愛好家として、本当にうれしい出 会いであり、発見となった。

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