☆★☆ たこやきめぐり 第26回 ☆★☆

木の香りのフネにのった
4タイプのたこ焼
− 浪花屋 その2 −

熊谷真菜
注文は正確に聞き取る。何個入り、いくつ、何番か。 1何もつけない  2ソース  3マヨネーズ  4ソース&マヨネーズ  この4つのタイプは珍しい。店の作業としては手間がかかるだけだが、 人によって好みが分かれていて、どのタイプも甲乙つけがたく注文がはいる。 間違いのないよう、色分けした磁石で心覚えにしている。なかには半分半分ちがうタイプを注文する欲張りもいるとか。  荷物を置く棚もあって配慮が行き届いている。テーブルについて、待つことしばし、やっと私たちの食べる分が焼きあがってきた。
なべ
店長ご夫婦
 ちゃんとフネにのっている。 1の何もつけない分は、木の香りもうっすらして、かつおとの相性もいい。 4はもちろんおいしい。桑山探偵は「ソースだけのも期待できそうやね」と新たに注文。 たしかにそれぞれ甲乙つけがたい。  私と同年代の足立さんは、店を開いて10年。親戚縁者に食べくらべてもらったりと、 試行錯誤を重ね、開店にこぎつけた。フネもコストはかかるものの、熱に強く、蒸気を吸い取ってくれるので、ほかの素材には変えられない。

 決しておしゃべりではない足立さんだが、それだけに、たこ焼への熱意と創意がうかがえる。 この店の客たちも、たこ焼を通してそんなことを直感しているにちがいない。  足立さんに勧められて、 3のマヨネーズを食べる。そのままでもおいしいのだから、 そこにマヨネーズでまたおいしい。ソースなしのマヨネーズだけ、というのもいいものだ。

インタビュー中
たこやきの表面

 たこ焼の並びには、甘酢しょうが。にぎりの横についてくる上等なしょうがである。 何でまた、とたずねると、「後口にいいでしょ。それにぼくが好きなんで(笑)」。 噂の通り、いい店である。

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