☆★☆ たこやきめぐり 第25回 ☆★☆

水無瀬名物、本当のたこ焼
− たこ勇 その2 −

熊谷真菜
 グルメマップにのってるではなし、噂にきくわけでもなし、もしこの町に嫁入りしなければ、気づかなかったやもしれぬ。そう思うと、夫の両親がこの地に住んでいてくれたこ とに感謝せずにはいられないのである。

 ということで、隠れた名店として私も大切にしたいと思い、雑誌などの取材関係では使わせてもらったことがない。はじめての取材というわけである。

なべ
まなさん
 いつもみかけるのが中條佳子さん。佳子さんの姉夫婦が阪南町の王子商店街で「たこ安」という店を開いている。佳子さんのだんな さんが中條勇で、「たこ勇」になる。「たこ勇」の味は「たこ安」からのもの。では「たこ安」の味はというと、そこの主人が開発した味なのだ。(お名まえを聞き忘れていしまった・・)

 何もつけないたこ焼のモデルとして、“会津屋”のたこ焼がヒントにはなっているとはいうものの、ここのすごさは、本当においしいこと。味加減というか、塩辛さの加減がとにかくいい。限りなくいくつでも口にほうりこめる、見事なたこ焼なのだ。

 「味付きたこ焼」。よく読んでみると、わかりやすく書いてある。確かに知らない人には初めて出会う味なのかもしれない。昭和50年2月開店というから、23年もこの味を守り続けたということになる。馴染み客の2代目が高校生になっておしかける。

たこ焼き
ソフトクリーム

かなり分厚い一生もんの風格ある鉄鋳物が8枚。そこに少しコナを流し、大きなタコを入れ、天かす、花かつおを粉にしながらまいてから、またコナをつぎたす。佳子さんはお客さんに関係なく、次々と焼いていく。「待たせたらあかんからね」。そんな親心で、鉄板はいつもたこ焼がコロコロしている。

 金曜日は休み。忙しい土日に備えるためだという。引っ越していった人もわざわざ買いにくる。たこ焼屋はそこらに増えても、この味を出せる店はなかなか増えない。

 店には二杯酢と七味。これがまたたこ勇のたこ焼をひきたてる。あっさりと濃いソフトクリームもほかでは真似できないだろう。

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