☆★☆ たこやきめぐり 第19回 ☆★☆

素材の味が生きてる
食べてみなくちゃわからない
不思議ふしぎのたこ焼メニュー
− 蛸壺 その2 −

ルーツ
 ところが、たこ焼がまだ普及していない当時は、丸い明石焼をまんじゅうとまちがえる人や、明石の陶磁器と勘違いして、ディスプレイのタコ壺を求める客など、とんでもない高槻人ばかりだった。

ようやく明石焼が認知されるようになったある日、ごはんはないの?というオバチャンの声もあり、たこつぼ定食が登場する。

 「まんま」の誕生はここからだ。おなかをすかせたバイトの女の子に、定食の余りを全部いっしょくたにして出してあげた。
炊き込みごはんの上に、明石焼10個、そこにおだしをかけて、みつばと紅しょうが。勢いで作られた「まんま」は意外なおいしさで、今では蛸壺の看板メニュー、実用新案登録出願中である。
まんま
たこ
ほんまにうまいんかいな。そう思った人にこそ食べてほしい。

 私もおそるおそる口に入れた一人だ。明石焼のふんわりと、かやくご飯の地味な味わいと、おだしのやさしさと薬味の切れ味と。渾然一体という表現はこの「まんま」のためにある。決してしつこくなく、しかもそれぞれの味も消えてはいない。あっさりとなんともいえないハーモニーが、深まりゆく日本の秋を彩ってくれる。

素材にこだわり、オリジナルなものを追求し続けた、四井さんの傑作。次なる夢は「まんま」をコンビニでも並ぶ、手軽な商品に育てることだという。

探偵メモに続く...

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