☆★☆ たこやきめぐり 第7回 ☆★☆

 
かめばかむほど、味わいおやじ
− 味一 その2 − 

熊谷 真菜

彼は27歳のときに、M食品というメーカーの営業から転職して、この地に 店を開いた。

当時付近には7軒ほどのたこ焼屋さんがあったが、一味ちがうものを求めた 結果、ふぞろいで、超デカタコ明石焼が誕生したらしい。
店の名は「味一」。

ネーミングにもうちょっと、都会的なセンスが、欲しかった。

おやじはポロッと茶々を入れて述懐してくださる。開店当初からご母堂の 手助けもあって、常連さんをつかんできた。実家の武庫之荘の畑で育てたみ つばやねぎが刻まれて薬味になる。母亡きあとも、マイペースな経営。


でも休むときは、きちんと張り紙を忘れない。「新春仮装カラオケ大会の 録画撮りに行ってますので、6時から平常通りに開店致します。山下清に扮 した三十四さんは「娘よ」を歌って賞をとったりする。素人にしてはプロも 顔負けの出演が多い。店の知名度のためにチャンスは逃がさないのだ。

続く...

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