☆★☆ たこやきめぐり 第56回 ☆★☆

釜ゆで生ダコ サクサクたこ焼
− おおがまや たこ萬 その1 −

熊谷真菜 (2002.7)

  「外カリ、中トロ」
最近は、たこ焼を語るときに必ず出る表現になってしまった。
地方のお店をたずねても、いかにもそれらしく、このコピーがポップとして飾られている。
拙著『たこやき』が刊行されて10年になろうとしているが、
このなかでおいしいたこやきについて書いた部分が、ひとり歩きしている。
外はカリッと、中はトローリ。

香港餃子丸の屋台
ポッフェルチェスのポスター
タコヤキストが数え切れないくらいのメディアで常に語ってきた表現が、 人々のなかで消化され、「外カリ、中トロ」と変化した。
うまいたこ焼の代名詞のようなコピー、これを忠実に再現したいと まじめに楽しく取り組んだ店だけが、生き残る。今のたこ焼業界は、 そんな時期を迎えているといえるだろう。

「外カリ、中トロ」。ひと口にいっても、店の数だけちがいはある。
外カリどころか、外バリの人気店もあるし、外シャリ、外パリくらいの 薄皮が自慢の店もある。
中トロの部分よりも、外カリを独自に出す方が、客にもアピールしやすい。
あえていうなら今回の店は、「外サク」。サクサクした食感が印象に残った。

ポッフェルチェス(オランダのたこやき)

続く...


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