☆★☆ たこやきめぐり 第54回 ☆★☆

海と太陽の香り イタリア〜ンたこやき
− たこ焼工房43(シーサン) その1 −

熊谷真菜 (2001.12)

 「たこ焼屋になりたい」若者が増えている。たこ焼屋の花形はやはり焼士。 焼かせてもらえるようになれば、とりあえずは一人前。「焼き台は、俺たちの晴れ舞台 じゃ」と、豪語するのは、大分の「たこやき工房 天までとどけ。」の代表、 永松茂久くんだが、 このごろは、この感覚をきちんと持ち合わせた焼士が少しずつではあるが、育っている。 若手の担い手が出てくれることは、40歳になるタコヤキストとしては、 このうえない喜びである。

香港餃子丸の屋台
ポッフェルチェスのポスター
  全国的にこんな状態なので、本家大阪のたこ焼が危ない、としきりに心配していた わけだが、今回はそんな気分を払拭してくれるいい店に出会えた。 JR大阪環状線の野田駅すぐのところにある、たこ焼工房43だ。
店主は山口滋巳さん。昭和40年生まれというから、私より 6才若い。 自分より若いというだけで、なんとも心強く思えるのは、オバサン感覚かもしれないが、 若い子たちのパワー、チャレンジ、気合は、ほんとにいい刺激になるのだ。

まず、店の形態というか、雰囲気がこれまでのたこ焼屋のイメージと大きく異なる。
全体的にイタリア〜ン。主人が少しずつ手づくりしているという店だけに、よく みるとガレージの鉄骨が屋台骨だったり、かなりフレキシブルな仕上げではあるが、 これがまた現代的というか、おしゃれな感じを出しているからスゴイ。
しかも隣りにスタンバイする移動販売用のワゴンには、太陽に扮したタコくんが にっこりと、デザインも優れている。43と書いて、シーサンと発音する。主人の名ま えが滋巳なのでシーサンと呼ばれていたのと、海と太陽を英語発音したところからつ いた。

ポッフェルチェス(オランダのたこやき)

続く...


好っきゃねん大阪  月刊たこやきめぐり  真菜のホームページ