☆★☆ たこやきめぐり 第50回 ☆★☆

一押しのすぐれものたこやき
− 一富久 その2 −

熊谷真菜
  ソースも何もつけないなにわのたこやきは、その店の雰囲気とも合わせて、 昭和30年代開業のときから変わらぬうまさを誇る。
 焼きつづける東泰範さんと奥さんの二人三脚もばっちり、 店に居座っていつまでもながめていたいなごめる空間。
ふたりの出身である富山の五個荘村のポスターが壁にある。
大阪のたこやきを支え、培ってきたのは、 実は大阪以外からの人たちの手によるところが大きい。
たこ焼き8個
山本明宗課長と真菜さん
 たこ焼12個300円。
添加物は一切使わないで、素材の味を生かすために、 タコと天かすだけ。
季節に応じて調整されるシンプルなブレンド、 シンプルな工程のなかから生まれるたこ焼は、 毎日食べても決して飽きのこないさすがの仕上がりなのだ。
 

 オッチャン、もう一人前ちょうだい。
 こんなふうにいいながら、ついでにいか焼きもたのんだりして。
たこ焼といか焼のセットもここならではの醍醐味。
たこやきファンならば、一度はたずねてほしい。
焼いてるそばで、鉄板をながめてたら、すごいことに気付いてしまった。
鍋の窪みのひ とつひとつの底に、なんだか線がはいっている。
創業当時から変えていないという鍋だけに、 いつのまにかハリでまわすときに掻き傷がついたという。
それくらい鍋は年代物らしく分厚い。昔のもんは何でもきちんと作られていたわけだ。

おいしそうなたこ焼き
この世女の好むもの・・・

 大阪21世紀協会が「すぐれもの鑑定団」をつくって21世紀に残したいすぐれものを鑑定、
私もなぜか副団長なんだけど、個人的に、一富久は一押しのすぐれものだ。

          (2000.12.1 取材)

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公開日 2001年1月30日


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