熊谷真菜
オッチャン、もう一人前ちょうだい。 こんなふうにいいながら、ついでにいか焼きもたのんだりして。 たこ焼といか焼のセットもここならではの醍醐味。 たこやきファンならば、一度はたずねてほしい。 焼いてるそばで、鉄板をながめてたら、すごいことに気付いてしまった。鍋の窪みのひ とつひとつの底に、なんだか線がはいっている。 創業当時から変えていないという鍋だけに、 いつのまにかハリでまわすときに掻き傷がついたという。 それくらい鍋は年代物らしく分厚い。昔のもんは何でもきちんと作られていたわけだ。
大阪21世紀協会が「すぐれもの鑑定団」をつくって21世紀に残したいすぐれものを鑑定、 私もなぜか副団長なんだけど、個人的に、一富久は一押しのすぐれものだ。 (2000.12.1 取材)