さらに驚いたのは、「満点見たよ」の合言葉で、10個10円にするというのだ。
番組の視聴者に対するこんなサービスは、局からもお願いするのだが、
だれもここまで極端なサービスは求めていない。
しかも先着何名というしばりもなく、明日一日は無制限にこの値段にするという。
10個10円なんて、商売にならない。焼き損やないの! とつっこみたくなる。
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「ほんとにこんなんでだいじょうぶなんでしょうか、ご主人」。
森脇さんもしゃべりながら、あわてている。
それくらい無謀な提案をてんてんやの主人はしたのだ。
わたしはそんな主人の思い切りのよさに、やや現実離れした感覚に脱帽し、
今回の取材を申し込もうという気になったのである。
出かけてみると、奥さんらしき人がしきりに鉄板に向かっている。
4×7×5=140個のたこ焼ができあがり、
あっという間に消えていく。200円注文する子供も多い。
かき氷は90円。シロップもいろいろ。2色がけ、3色がけもOK。
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たこ焼のソースは7種類。これも半端じゃない。
1 おいしいソース −−大石ソー助君すいせん
2 昔ながらのたこ焼ソース −−北京原人も好きだった
3 甘口ソース
4 カレーソース −−カルカッタカラカッタ
5 フルーツソース
6 しょうゆ −−しょうゆ顔の君にぴったり
7 レモンぽんず
注釈のおもしろさについつい7種類全部かけてみたくなる。カレーも気にいった。
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てなことで、ごったがえす店内、道路のベンチでもだべっている女子高生。
そこへ保育所にお迎えに出ていた店主、田中彰さんがもどってきた。
年齢不詳、とにかくユニークな雰囲気だ。
たこ焼はこづかい銭で食べるもの。うちの店はそれを守りたい。
駄菓子屋さんがなくなって、学校帰りの子供たちが和気あいあいと買い食いする場所はなくなった。
コンビニはその代用かもしれないけれど、この店にはコンビニにないやさしさが溢れている。
10個 100円はたこ焼本来のいい味を出していた。
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