鍋の穴が引き延ばされて、ゆりかごのようになっていて、
機械のゆれとともに、中のたこ焼が行ったり来たりをはじめる。
そのスピードがなんとも間のぬけたリズムで思わず笑いを誘う。
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速さは、高速、中速、低速の3段階あるというが、どれも眠りを誘
わんばかり、ゆったりとしたリズム。
春の海ののたりのたりのたこ焼かな、である。
機械の名まえはない。ただし社内的には「ギッコンバッタン」。
そういえばシーソーのような雰囲気もある。
焼き手はスイッチを入れれば、あとはもう機械にまかせて別の用事ができる。
行ったり来たりせさることで、表面のカリッした食感も生まれる。
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味もいい。機械の奇抜さに目をとられてし
まいがちだが、きちんとまじめな仕上がり。
たい焼クンの脇役ではもったいないぐらいだ。
この機械が導入されたときに、焼かせてほ
しいと名乗り出た阪東さんは、
「私にはこれがぴったりなんです。
若い子らが言うんですよ。
たい焼はポップスのノリで焼かないとだめ。
この機械やと演歌で十分やって(笑)」。
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こんなおもろい機械なら、また何かのイベントのときに出張してもらいたい
とお願いすると、
「この機械80kgもあって、運ぶのがたいそうなんです。
世界でひとつ、ここでしか使われへん、
そういう奴なんですよ」
とのこと。
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