☆★☆ たこやきめぐり 第28回 ☆★☆

今宵たべたいハートフルたこ焼
− 美輝 その1 −

熊谷真菜

 京橋は ええとこだっせ♪
 OBPができてから、この歌のイメージだ けでは、語りきれなくなった京橋界隈だが、片町線が学研都市線になって、 片町はいずこへ、と思っていたら、きょうたずねるお店は、 都島区片町の住所をもつ。なんとなくうれしくなって、 汗をかきながらも、足どり軽く京橋の南出口から川沿いに5分歩く。
 寝屋川をはさんで、向こうにはNECや松下の大きなオフィスビルが並んでいるが、 こちら側は、いたって庶民的な町並み。並木道もちょうどいい散歩コースだ。
美輝
鈴木郁子さん
 迎えてくださったのは、鈴木郁子さん
私と同い年、しかも最近、「太ったねえ」と回 りからチェックされる所まで似ている。
 さて、この店は「いつ来ても人がいっぱいの店」として、 この辺ではすこぶる有名なのだ。 ようやく席に腰掛けられた人は、うれしさのあまり、 自分の同僚がまだ働いている向かいのビルの窓めがけて、 手を振りまわすという。 冷やされたグラスにビールを注ぎ、たこ焼をメインとする手づくりの家庭的な一皿 、一皿を味わう。 グループでワイワイやるにはぴったりだから、二時間があっという間に過ぎていく。

 三年前、お母さんはテイクアウト専門のたこ焼屋さんを開業。 そのころ郁子さんは百貨店で洋食器を扱っていたが、一年半前にやめる。 お母さんの代わりに店を切り盛りするようになり、 スタイルもテイクアウト専門から、ゆっくり味わえる居酒屋風に変化していった

取材中
部屋の中の作品群

 ソース、しょうゆ、キムチ、うめ。四種の たこ焼は定番だが、それ以外のおしながきは毎日変わる。 水なすのお漬物、いわし明太、冷やっこ、うまい菜のおしたし・・・。
 郁子さん作の土っぽい陶器、レトロな絵本、 それに大判の和紙に書かれたアートな作品には「今宵つくろぐハートフル酒場」
店のなかの小道具も、素直なやさしさで満ちている。

続く...


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