さて味はどうか。実はここの味を決めたという高森敬蔵さんとは偶然にも先月、オタフクソースの大阪支店で、お話を聞いた所だった。高森さんは幼い頃からたこ焼に親しんできたが、自分が納得する味を求めて日夜改善を重ね、冷めてもおいしいたこ焼レシピを完成している。鍋で加熱されることを計算に入れて、タコのゆで方ひとつにもこだわりをもつ人なのだ。引っ繰り返す道具(業界用語でハリ)に関しても、持ちやすさがあって、おはし箱のような入れ物に自分専用のハリを持ち歩き、あちこちのたこ焼屋さんで指導を続
けている。
|
|
|
焼きも大切と力説する、高森さんが太鼓判を押したのは、スタッフのひとりあかねちゃん。「彼女が焼くたこ焼はほぼ完成しています」。確かに手速い。肩に力がはいってない。自然なフォーム。二十歳という若さ、ピュアな雰囲気もすてきだ。
|
タコ大将の名物は、「大阪ドームたこ焼弁当」。大きなイベントがある日だけ販売される。2段のお重のひとつは、ふつうのお弁当だが、もう一段にはたこ焼が6個。いろんな食シーンに登場してきたたこ焼だが、たこ焼弁当は初めてかもしれない。もちろんここにも黒田タコは踊る。ちゃんとしたお弁当箱だから、ゴミにしないで持ちかえって、また使いたくなる。いいおみやげだ。
|
|
|
「たこ焼弁当なんて、東京では絶対考えられないアイデアですよね。大阪は本当に面白い」。桑名に生まれ、東京で就職し、転勤とともに大阪が気に入って、家まで建ててしまったという、桑山隊員初参加の感激のコメントである。
|