☆★☆ たこやきめぐり 第10回 ☆★☆

 
何もつけない、何もかけないたこ焼の原形を今日に伝える老舗
− 会津屋 その1 − 

熊谷 真菜

 月刊たこやきめぐりも、記念すべき第10回を迎えることになり、 これもひとえに見にきてくださる皆さんのおかげと感謝いたします。 ありがとうございます。

 担当の鎌探偵は、咲探偵たちとともにこのページを支えてきただけあって、 10回目というだけで、大きな体をふるわせてウルウルしている状況です。 そんな彼の強い希望で今回は、地下鉄四ツ橋線玉出駅すぐの会津屋さんに おじゃますることになりました。

 さて会津屋といえば、たこやき通にとって当然というか、 玄関口というか、ここを知らずしてたこやきを語るなかれ、 とまでいわれるほどの老舗です。

 実はこの私も二十歳の春までは知らなかった。 本にもくわしく書いてますが、だしをつける明石焼、 ソースをつけるポピュラーなたこ焼だけをたこ焼と信じて疑わなかったときに、 このたこ焼に出会うと、なんとも強烈なカルチャーショックを受けるものです。

 何かをつけることが常識になっている現在、何もつけないまま、 焼きつづけることが、どんなに勇気ある行動か、どんなに自信ある営業か、 理解してもらえるのではないでしょうか。 もっと具体的に数字をあげるなら、昭和10年、先代の遠藤留吉さんが、 たこ焼というのれんを掲げて以来、ほとんど何も変えることなく、 たこ焼一筋でやってきた証が、ここの店にあるわけです。

続く...



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