☆★☆ たこやきめぐり 第8回 ☆★☆

 
玉突きとたこ焼のおいしいミスマッチ
− 本町タコ平 その1 − 

熊谷 真菜

 大阪をざっと見渡して、たこ焼き屋さんを置いていくと、ぽこっとドーナツ状に 抜け落ちた部分があることに気づく。
御堂筋から堺筋、中之島の南あたりから本町近辺にかけての地域は、 たこ焼とは無縁な土地柄といってもいいだろう。 ビルがたちならび、いわば中心的な印象があるけど、残念ながら、 ユニークなうどん屋さんはあっても、たこ焼屋さんはほとんど見かけない。

 たこ焼の似合わない町は、味気ない町と考えていいかもしれないが、 西の四つ橋筋をこえると、ほっとさせてくれるスペースが待っている。 もともとビリヤード専門店だったのが、いつのまにかその一角で たこ焼きを焼くようになった。

 ビリヤードといえば、プールバーのブームとともに、デイトスポットに 利用する人も多い。つまりおしゃれ。 カウンターではきれいなカクテルも出してくれる。 ところがこの店は、カクテルの前にたこ焼なのだ。

 これがまたうまい。まず焼きがちがう。 そのまま食べてもおいしい奴を明石風、なにわ風、洋風、和風と バラエティにとんだアレンジによって飽きさせないのだ。

 七味とねぎの仕上げが微妙に変えられると、同じように焼いたものとは 思えないほどの味わいのちがいが体験できる。 一通り玉突きの腕を見せたあとに、おもむろにいただくたこ焼きの味。

 23歳の若さで店をまかせられているのは...

続く...



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