☆★☆ たこやきめぐり 第5回 ☆★☆

 
ホームからでも注文できそう
− 十八番 その1 − 

熊谷 真菜

 西中島南方。

 新大阪のひとつ手前、御堂筋線の長い駅名は、阪急電車京都線の南方駅と 交差する。 普通しか止まらないくせに、行きかう人の数はすごい。

 学生、OL、ビジネスマン、住人。 さまざまなタイプの大阪人が、入れ代わりたちかわり出入りする。 そのためスーパーからコンビニ、ケーキショップ、ビジネスホテル、 居酒屋にまざって、一流企業の自社ビルもあるわけだ。

 さて、阪急南方駅のホームからでも注文できそうな角っこに、 お目当ての”十八番”がある。

 11月でまる6年というから、それほど古い店ではない。 通りに面して、黒く焼きこまれた銅の鍋が並ぶ。 コナを流すと、これでもかというほどの大量の天かす。 あふれる具材を、しゃれたユニフォームのお兄さんが、2本のハリを たくみに、丸く仕上げていく。
カウンターに腰掛け、一人前注文する。女子高生のグループもいれば、 女性ひとり客も次々とやってくる。

 天麩羅に似合いそうなチリトリ型の器に、たこ焼きが10個。 12センチ楊枝をつかって、まずはひとつ。 かなりカリッとしている。 表面には天かすの名残りがあるものの、どこへ行ったかと思うくらい あっさりとした味わい。

続く...



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