☆★☆ たこやきめぐり 第3回 ☆★☆

 
西がつくからには、東もあるの?
− のむら西店 その2 − 

ところがシャッターがおりたままだ。
 「電話でご主人には、ちゃんと確認したんですけど。」
 鎌探偵もおろおろしている。

 でもしばらくして、店の人も到着。
息をはずませる大きな買い物袋からは、 青首だいこんがのぞいている。 ふつうの主婦の感じ。その人がたこやきを焼くなんて、ちょっと想像できない。
 「お待ちになった?ごめんなさいね。どうぞ、はいって見ててください。 すぐ用意しますから。」

 店はあいたものの、たこやき屋に来たという気持ちにはなれない。 なぜなら赤と白が基調の店が多いなかで、ここは昔ながらの喫茶店といおうか。 中にはいれば、アンティークな掛け時計が、壁全体をうめつくすように並んでいて、 たこやき屋的なものがゼロなのだ。

 おまけに店の奥さんであろう婦人も、これまで出会ったたこやき屋のおばさんとは、 容姿というか、タイプが異なる。
 「熊谷さんは "といろ" にしますか?」
 やや不安げな私を気づかって、鎌探偵は注文を確かめる。 "といろ" というのは、タコやサーモン、いか、チーズなど十種類、 一つずつちがう具がはいったたこやきだ。 欲張りでわがままな女性客に人気のメニューだ。
 もちろん・・・

まだまだ続く...  戻る


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