☆★☆ たこやきめぐり 第49回 ☆★☆

繁華街のど真ん中の味わいたこ焼
−  ぶぶ亭 その1 −

熊谷真菜 (2000.12)

 1983年、たこ焼を調べはじめたころはまだ今みたいに、どこにでもたこ焼屋さんがある状況ではなかった。
 まして梅田とかナンバとか、繁華街のど真ん中の一等地にたこ焼屋があるはずもなかったから、 阪急三番街の飲食店のひとつとしてたこ焼屋がオープンしたのは感激だった記憶がある。
その名は「ぶぶ亭」。
道頓堀くくる本店 店頭
大阪名物びっくりたこ焼き
 名まえはもちろん、店構えもこれまでのたこ焼屋の典型から大きくはなれた斬新なものだった。 今はその感覚もあたりまえな世界だが、1983年当時は、ヘエー、これがたこ焼屋さんなの〜?みたいな印象だった。

 千日前にあるぶぶ亭の母体、川富株式会社の立尾昭さんをたずねてみると、 なんと川富というのは純然たる割烹、日本料理店だという。
しかも現在は、おむすび・おそうざい、家庭料理「良平」、魚の旨い店「とと(魚が2つ並んだ字)屋」、 炉端料理「南や」をはじめ、タイチャンコからにんにくキッチンなど幅広く手がけている。
 そして2代目の森村立夫氏が割烹以外にはじめた記念すべき新業態第一弾が 1980年のなんばCITYに出した明石焼「ぶぶ亭」だった。

びっくっりたこ焼き製造中
カウンター越しで焼けてるのが見えます

 当時のパンフレットを見せてもらうと、社長の意気込みが伝わってくる。
変形のB4版ぐらいもある縦長のパンフレットはぶぶ亭のために作られたもの。 川富の粋を集めて明石焼に集大成したその味わいを贅沢な紙面でアピールしている。

続く...


好っきゃねん大阪  月刊たこやきめぐり  真菜のホームページ