はやらない店のお助け番組が目立つ。たし
かにこの御時世、手っ取り早く食べもの商売
を始めたものの、素人がそう簡単に、はやる
店をやれるものではない。埼玉のはやらない
たこ焼店の主人が、たこ八というこの道20年
の超プロに弟子入りし、厳しい特訓を。そし
て数カ月後、なんとその店は、朝早くから長
蛇の列となり、1日15万もの売上げを記録す
る繁盛店と変貌している。
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こんなサクセスストーリーが成り立つのも
、材料、焼き方、そして主人の熱意が変貌し
たからにほかならない。天かすを高いところ
からパラパラッとばらまく手付きひとつにも
、うまさを感じさせる演出が息づく。
たこ八という屋号は昔から気になっていた
。しかしいい屋号ゆえ、あちこちで目にする
。どこが本家本元なのかという疑問もあった
。このたび縁もゆかりもない関東の一たこ焼
店に味と技を伝授し、人気店に仕立てあげた
たこ八を是非たずねてみたい。
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まず迎えてくださったのが角山正浩さん。
営業本部の総支配人。といっても私と同年代
、背が高く体育会系の役者にもいけそうな面
持ちの人。そういえばこの人がテレビで指導
に当たっていた。あのときの厳しい雰囲気が
まるで嘘のように、やさしい応対である。
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昭和54年11月、たこ八はミナミに開店。56
、57年と続いて北新地に2店舗をオープン、
58年には、銀座数奇屋通りに進出している。
思いおこせば、以前私は銀座のたこ八で食べ
ている。8個で800円ぐらいしたが、その
味わいはシンプルかつ素朴、なんとも上品に
仕上がったたこ焼だった。そのときは明石焼
としておだしにつけて食べた記憶がある。ま
さかミナミに原点をもつ店とは想像できなか
ったのだ。
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